The Flowers Beneath Your Feet

出戻りジャニオタがたまに長文を書くところ

オセローを観て イアーゴーとエミーリアの考察

新橋演舞場にて、我らがジャニーズWEST神山智洋くんがシェイクスピアの四大悲劇オセローに出演するので観劇してきました。

自担じゃないし一回観ることができれば…なんて思っていたけれど、一度見たあと帰りの電車でスケジュールを確認し、2回目のチケットを取りました。

面白いという言葉の表現は適切ではないかもしれないけれどそれほどまでに魅力的で引き込まれる舞台でした。


……と、オセローのあらすじやら神ちゃんが演じたイアーゴーの役柄に関して書いていたらキリがないので観ていない人はググっていただければと思いつつ、以下に書くことはオセローを観劇していないとわからないことばかりです。


そして個人的に、私は学生時代に芸術学(美学美術史)を専攻していたのですが学生時代オセローを見ていたらシェイクスピアの四大悲劇で論文を書いてただろうなというくらい深めたい題材でした。

この歳になっても勉強したいと思わされる作品に出会わせてくれた、オセローと出会わせてくれるきっかけをくれた神山智洋さんに敬意と感謝を。



※原作を途中までしか読んでいないので、間違えている部分も多くあると思います。これはあくまでも私の勝手な考察で憶測です。

 

まず、イアーゴーはなぜオセローを憎んでいたのか。まずひとつにオセローがキャシオーを副官に選んだことはロダリーゴーに話しているが、ふたつめの理由として自分の妻であるエミーリアとオセローに肉体関係があったという噂があったことではないかと思う。

二度目の観劇の際に気づいたのだが、ロダリーゴーへはひとつめの理由を一度話したきりだった。ふたつめのエミーリアの件は2回観客へ訴える場面があった。女には女を使って復讐をすると言ったような台詞もある。

でなければ、イアーゴーのような人物は本来オセローのような黒人の下でのうのうと従っているような人間ではないと思うのだ。ところどころ、黒人を差別するような台詞も見受けられる。

冒頭でロダリーゴーに、「なぜオセローのもとにいるのだ」と問われたとき人には向き不向きがあると言っていたが、もし自分が副官に選ばれていたとしてもイアーゴーは何かと理由をつけてオセローを陥れようとしたのではないかと思った。エミーリアの件がある限り。


エミーリアが本当にオセローと肉体関係があったのかは定かではない。これはイアーゴーも言っているし、本編でこのことが真実だったのかどうか語られることはなかった。

しかしエミーリアはデズデモーナに「この光の中で遊び(浮気)をする女なんて本当にいるのかしら」と問われたとき「この光の中では…しませんが、暗闇ならするかもしれませんね。それで世界が手に入るなら」と答える。ニュアンスでしか台詞を覚えていないのだが、夫の名声のためなら、他の男に抱かれると言ったようなことをデズデモーナに告白する。

つまり、夫であるイアーゴーのためにオセローに抱かれたとも取れる台詞である。


以上、短いものであるがオセローの考察である。もし、エミーリアがイアーゴーのためにオセローに抱かれていたのだとしたら、そのことがイアーゴーを悪魔に変えてしまったことになる。そしてそれを、双方は知ることはない。四大悲劇と言われるだけあって、悲劇の連鎖である。

そしてオセローがイアーゴーが全ての主犯であることを知ったとき、イアーゴーはオセローを陥れた理由を述べることもしなかった。



最後、イアーゴーは最後の力を振り絞りエミーリアの横へ移動し、亡くなったところで舞台は暗転し終演となる。

エミーリアの横へ移動するものの、エミーリアへ寄り添うことはしないのがイアーゴーらしいとすら思ってしまった。